なんと前作『うしろに立つ少女』から35年ぶりとなる新作『笑み男』。
予約してまで購入したものの、忙しくてなかなか集中してプレイする時間が取れなかったが、最近少しずつ時間が取れるようになったのでプレイした。一応、最後まで辿り着いたので感想を書くことにした。
以下、ネタバレになると思うので、これから遊んでみようと思う方は閲覧しないほうが良いです。
久しぶりの新作ということもあって期待感に溢れていたが、どうにもモヤモヤする点が多くて気になってしまった。
- 佐々木英介くんの遺体発見現場って、実は南第三中学校と近い?
- 冒頭の印象から人里離れた感じの場所で遺体を発見したのかと思っていたのだが、めぐみちゃんが自宅から中学校を経由してポンプ場まで行けることを考えると、住宅地の中に存在してるのかな
- 香福駅や亀松町、南第三中学校、ストーリーに登場する場所の距離感が全然把握できなくてモヤる・・・
- 福山先生パートが無駄に長くてだるくなってしまう
- いろいろコマンドを往復させるもんだから、一気に話してくれよと何度思ったことか・・・
- 福山先生の人となりを表現したかったのかもしれないが、話が進まなくて逆にイライラした
- 福山先生が喫茶店で泣き叫ぶとき、顔しか動かないもんだから、かなり奇妙な感じが・・・
- 主人公が久瀬刑事の部屋に南第三中学校のネクタイと思しきものがありそうだと神原刑事に打ち明けたら神原刑事が唐突に犯人扱いするな!と怒り出すの、プレイヤーを置いてけぼりにした話の展開に思えてびっくりした
- なんでいきなりそうなるの・・・と無理矢理感が否めない
- エンディングを見て、あー、だから怒ったのね・・・と理解
- 同じく主人公が轟夫妻に、都筑実が佐々木英介くんの事件に関わっているかもしれないと打ち明けると、夫妻が実を犯人扱いするな!と怒り出すの、おいおい話を最後まで聞けよ・・・考えが飛躍してない?と思った
- 轟社長にバチクソ責められて、主人公がかわいそうに思えたよ
- 考えるコマンドのイラストとはいえ主人公、うつむいて思い詰めた表情で考えるもんだからさ・・・
- 話が急転直下で結末を迎えるもんだから無理やりラストにこじつけた感がある
- 終盤でも18年前の事件と英介くんの事件が繋がらないのよね
- 結局、滝口くんの推測が正しかったわけだけど
- 序盤から中盤にかけて事件関係者の名前はすべて明らかになるんだけど、各事件のつながりが全然明らかにならないから、プレイヤーとして推理しながらストーリーを楽しむことがあまりできなかった
- 久瀬刑事、どうやって廃村のこと知ったの?
- 終盤、道路工事作業員から聞き出した山姥村
- 主人公がそこまで辿り着くのは話の流れからしてなんかわかる
- でもなんで久瀬刑事は辿り着いたのよ・・・1mmも山姥村のことなど出なかったよ
- 神原刑事も(久瀬刑事の動向を注視していたとはいえ)なんで山姥村に到達できたの?
- 唐突にエンディングで神原刑事と久瀬刑事、籍をいれてるし・・・
- 空木さんの調査内容がストーリーに出てこない
- 主人公たちに英介くんの事件に関する調査を任せて、笑み男に関する調査に出かけた空木先生
- 途中、山陰地方で調査を進めていることは少しだけ触れられたが、それ以外は一切、ストーリーに出てこない
- 事件に関係していたのかしていなかったのか、ストーリーが終わるまでわからない
- 結局、謎のままだったことが多い
- 誠はなんで都筑を名乗ったのか?
- 空木先生編で理由が判明してここはすっきりする
- 廃村で誠に殺されたやつは誰なのか?
- 検死の結果、都筑でしたという話はない
- 都筑ということでいいのだろうか?とモヤモヤしながら結末を迎える
- せめて久瀬刑事の手紙で、あれは都筑実でしたと書いてあれば
- 廃村の時点で都筑実確定ということだったのかな、制作陣的には
- なんでちゃんと確定してほしかったかというと、ストーリーの中で都筑実が生存しているという僅かな片鱗が見られないから
- 轟モータース以降、主人公が都筑実は生存しているかもしれない!と思いながら調査を続けるのだが根拠はないし、道路工事作業員は誠の似顔絵を見てこれが都筑実と断定するし、本物の都筑実が生存すると想定できそうな情報がストーリーで出てこないんだよね・・・
- 誠は記憶喪失だったのにどうやって生きていたのか?
- 空木先生編で理由が判明してここはすっきりする
- 誠は殺人犯ではないの?
- 久瀬刑事からの手紙で、リハビリがんばるってあったけど、あれ?あなた廃村で殺人を犯してない?
- 久瀬刑事もしれっと職を辞したと書いてあるけど、事件現場から遺留品を持ち出したり、勝手に捜査を進めたりといろいろ規則違反してそうで審議の対象になりそうだけど・・・
- 空木先生は何をしていたのか?
- 都筑が18年前の連続少女殺人事件の第2、第3の事件の犯人なの?
- 空木先生編で理由が判明してここはすっきりする
- 第1の事件は結局、未解決のまま?
- 空木先生編で理由が判明してここはすっきりする
- 誠はなんで都筑を名乗ったのか?
- 鎌田刑事、序盤で退場していてなんか気の毒・・・
- ぎっくり腰以降、まったく出番がなくなった鎌田刑事
などなど。全体を通して話が長いし繋がらないしで、うーん・・・ファミ探ってこんな感じだったっけ?と感じた。
終章で後日談が語られているときにこの記事を書き起こしたのだが、エンディングのスタッフロールが終わったら空木先生が急に電話をかけてきて、謎が多いままだよね?と話し始めた。自覚はあったのね・・・。
先生との電話を終え、データをセーブしてタイトルに戻ると、ファミコン探偵倶楽部『ミノル』に・・・ッ!空木先生編が始まるのね。
というわけで空木先生編にて都筑実が18年前の事件の犯人で、めぐみちゃんや久瀬刑事の前に現れた笑み男で、部屋が血まみれだったのは自分の顔を面白くしようと板金ハサミで切り刻んだ結果ということがわかり、本編でまったく繋がらなかった話がやっとつながってなるほどなーと思った次第。
だけどそれでもまだ謎があるわけで・・・。
轟夫妻、ずっと実が犯人ではないと信じていたけど、真実を知らされたらどう思うんだろうか?と思って結末を見ていたものの、結局主人公を怒鳴り散らした以降、退場して出てこないから真実を知る機会を得てないのよね・・・ひどいよね。あと気になるのは、空木先生が都筑実の生涯を推察して話してくれるシーンにおけるいち場面。ポンプ場でめぐみちゃんを見つけたのはどういういきさつで?久瀬刑事の自宅を探し当てたのはどういういきさつで?と思ってしまった。
久瀬刑事については誠から駅前でそういう人がいたことを聞いて探った結果、自宅を発見したということでつじつまをあわせることはできるんだけど、めぐみちゃんについてはえみこを探しに行くとだけ誠に告げて二人で車でいきなりポンプ場に向かってめぐみちゃんを見つけるんだけど、そんなピンポイントで見つかるもんかね?もう少し各シーンで語られる内容についてのつながりがきっちりしていればと思うと、ちょっともったいないかなーと思う。
最後に、都筑実が犯罪者になったいきさつはありがちで、こすり尽くされた感は否めないんだけど、それでも『切ないなあ・・・』と思った。世間を知らない小さな子どもが、意図せず命を落としてしまう、悲しすぎる。自分の周りで同じような境遇の人を見つけたら手を差し伸べてあげたいなと思った。
というわけで、モヤモヤする点が多かったし、ちょっと話が長くてだるいなーと感じる点も多々あったけど、続編を出してくれたことについては素直に感謝したい。
どうもありがとう!