GR86に自分でフルバケを取り付けてみようと思った人にまずは読んでほしい
まずは結論から
GR86のシート交換についてググると、純正シートの取り外しに苦労している点はいずれのブログも共通していて、それ以外の点については触れられていない。したがって純正シートさえ取り外せばあとは簡単なのかもと思ってしまいがちだが、全工程を通じてそれなりに労力が必要だ。
結論としては、工賃を払ってでもカー用品店や整備工場、ディーラーなどで取り付けてもらったほうが苦労なく、それでいてきれいに取り付けてもらえて費用対効果が高いのでおすすめだ。
苦労してでもDIYで取り付けをしてみたい!と思っているあなたには、次の準備工程を読んでもらうのと、作業時間が全部で5~6時間は必要となる点は覚悟してほしい。読んだ上で決意が変わらないようであれば、あとは突き進むのみだ。
準備工程
自分の取り付けを参考例として、必要なパーツや工具などをあげる。
必要パーツ
今回、BRIDE「XERO CS」の取り付けを行った。
BRIDE公式サイトのいいところは、取り付けに必要なパーツを「商品検索システム(適合検索)」で調べられる点だ。このシステムで車種からシートまでを決定すると、そのあとはシートレールやオプションを確認することができる。
自分が選択したシートレールとオプションは
の2点。なお保安基準を満たすためにはシートバックプロテクター K15タイプも必要になるので、是非とも一緒に購入することをおすすめする*1。
必要工具
この記事を読んでいるということは、これから作業しようとしている車についてまだ一度も、純正シートを交換したことがないと推測する。そうであれば条件は自分と同じだ。
- スピンナハンドルと12mmおよび14mmソケット
- 12mmは純正シートを留めているボルト用
- 14mmは純正シートについているシートベルトを留めているボルト用
- 上記2点の取り外し、スピンナハンドルは絶対必要*2なのでケチらない
- M8六角レンチ
- シートレール組み立て、シートレールにシート取り付けに必要
- 10mm、12mmスパナまたはメガネレンチ
- 10mmはバッテリー端子を外す用途
- 12mmはシートレール組み立てなど
- ラジオペンチやプライヤー
- クリップ外しなど
- ニッパーやはさみ、よく切れる刃が新しいカッター
- クリップからケーブルを外すために利用
- 軍手
- 素手だと血まみれになります
上記にはあげていないのだが、付属しているシートベルトアンカーボルトを締めるためにおそらく、17mmソケットまたはスパナ、メガネレンチのいずれかと、21mm付近のソケットまたはメガネレンチが必要になる。
ナットは17mmだったと思うが、ボルトが自分の手持ちのソケットでは合わず、プライヤーで挟んでねじ込んだ。作業途中で困らないよう、事前にシートベルトアンカーボルトだけホームセンターなどの工具売り場に持ち込んで、ソケットやレンチのサイズを合わせたほうがいいだろう。
スピンナハンドル
自分はビバホームで売っていたKTCのBS4Eを購入した。
差し込み角12.7、全長400mmで一応問題なく車内で回すことはできた。
これと併せて差し込み角12.7の12mmディープソケット、差し込み角12.7の14mmソケットを購入した。
六角レンチ
M8サイズに対応したL型六角レンチが必要。L型でなくてもサイズがあえばなんでもよいが、L型にしたほうが作業しやすいだろう。
M8サイズが含まれるこんなセットでいいと思うが、ホームセンターブランドの安い製品でも問題ない。
スパナ・メガネレンチ
お好きなほうで。10mmと12mmは一対になっていることが多い。
その他
他の工具は適当にそろえて問題なし。
シートレール組み立てに、もしかしたら差し込み角9.5*3の12mm六角ディープソケットがあったほうが捗るかもしれない。
純正シート取り外し
まずはバッテリーのマイナス端子を外しておく。ここからがスタート。
ドアを開けたときのステップ的な部分、サイドシルと呼ぶらしいが、ここをシートレールなどで傷つけないように段ボールや厚手の布などで養生して保護しておく。
そして早速出番がやってくるのがスピンナハンドル。シートレールを留めている4か所のボルトをスピンナハンドルで回す。ボルトを全部取り終わってから、各種配線を外す工程については、以下にあげる記事を参考にしてほしい*4。
まずカプラー外しで手間取る。
- 白はわりと簡単(側面のどこかを押すと抜ける)
- 黄色が文章読んだだけではわからない、面倒な構造で手間取る
黄色は正しい表現かどうかはわからないが2重構造になっていて、側面のどこかのつまみを押すと上下というか前後というか、外側のパーツがスライドする構造。スライドでロックしているという感じだろうか。
したがって、無理に引っこ抜こうとしても抜けないので、外側をスライドさせてから刺さっているコネクタを抜くとよい。
次なる試練は配線用クランプ外し。シートベルトアンカーから伸びている配線も対象。黒いクランプはどのみち破壊必須なのできれいに取れなくてもよし。
最後にシートベルトアンカー外し。ここもスピンナハンドルで回す。
純正シート、配線、シートベルトアンカーがすべて外れたら作業完了。
シート組み立てと取り付け
調整に手間取るシート取り付け。取説は製品に付属しているが一応、PDFで公開されているものも添付しておく。
https://bride-jp.com/download/catalog/manual_fullbucket_190313.pdf
まずはシートレールとサイドステーの取り付け。仮締めで止める。
続いてサイドステーに純正シートベルトアンカーを取り付け。ここは本締めでいいと思う。
シートベルトアンカーをつけたらサイドステーの左右幅を前後均等に395mmにする。計測はサイドステーの外側を使う。
ここでいったん、シートレールのスライドが前後ともに、めいっぱい端までスライドできることを確認する。ここで動きが渋いと、車体に取り付けたときにスムーズに動作しない。
スムーズにスライドできることを確認出来たら本締め。本締めする際、固く締めすぎるとスライドが渋くなるので、スムーズに動くギリギリの個所を見極めて締め付ける。
次にシート本体をシートレールに取り付ける。ここも仮締めで止める。
またここでシートレールのスライド確認。先ほど確認したときと同じく、スムーズに動くことを確認する。
先ほど同様、スムーズにスライドできることを確認出来たら本締めを行い、締め付けた後にスライドできることを確認する。
最後に車体に取り付け。車体に入れる際にぶつけないように注意。広い場所で慎重に行えば事故ることはないはずだ。
ボルトを仮締めした後にスライドを確認する。ここから本締めしていくわけだが、やはりここも締めすぎるとスライドしなくなるので、ギリギリの個所を見極めて締め付ける。
本締めが終わり、スライドがスムーズに動くようなら取付完了。もしぐらつきがでているようであれば、どこかのボルトの締め方が甘いので工程をさかのぼってボルトの締め直しとスライドの確認を行う。こういう調整がとても面倒で大変だ。
最後に
ちなみに自分は、別のパーツ取付でHKSに預けたら、シートレールが少しガタついてるねと言われ、調整をお願いした。スライドがスムーズに動くギリギリのところを狙って本締めをしたつもりだったのだが、やはり素人、きっちりとできていなかったようだ。
この記事を最後まで読んだ皆さんはどう感じただろうか。何事も挑戦!ということで取り付けをしてみたくなっただろうか。