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一人会社社長、家を買う。

中古マンションを購入しました。物件引き渡しまでに得た知見を、これから購入しようとしている方へ共有できたらと思います。

対象読者

以下のような方を対象にしています。

  • 持ち家を購入しようと計画している
  • 法人化した経営者
  • 法人化して日が浅い

法人成りしたばかりだと購入は諦めた方がいい

法人成りしてまだ1~2期目の経営者様、持ち家購入は諦めてください。借入額によっては住宅ローン審査に通りません*1。それならば法人で借り入れしようと思っても、法人での借り入れはもっと審査が厳しいです*2
ローン審査ではだいたい3期分の決算報告書が必要です。うちは2期分+3期目の試算表+個人事業主時代の確定申告書3期分を提出しました。
不動産登記書類を作るときに司法書士の方とちらっと話をしましたが、法人成りするとそれまでの収入実績はリセットされるみたいです。仮にサラリーマンとして年収1000万円が数年間続いていたとしても、法人成りした時点で加味されなくなるということです。
これから会社を作ろうとしている方、法人化前に住宅購入を済ませてください。

長くおつきあいできそうな不動産屋を見つける

住宅展示場へ行ったり、モデルルームへ行ったり、中古物件の内覧をすると、その物件を取り扱っている不動産屋と知り合うことになります。物件に目が行きがちですが、対応してくれる担当者や不動産屋をよく見て、ご自身にとって安心できる存在になりそうかしっかり吟味しましょう。
なお自分は九段下にある『株式会社ワッフル』様とともに、持ち家購入を進めました。 www.wafull.co.jp 選んだ基準は、内覧時にたまたま代理でいらした営業マンの対応が良かったこと、会社の所在地がしっかりした場所にあって経営が順調である雰囲気を感じたこと、自社でリノベマンションのブランドを持っていて経験豊富そうな印象を受けたこと、この3点です。
不動産屋選びはなかなか難しいとは思いますが、直感的に「ここはいい!」と思ったらそれを信じてみることですね。

頭金は初期費用分ぐらいは用意する

物件価格のおおよそ1割ぐらいが購入時の初期費用となります*3。初期費用項目はだいたい以下の通りです。

  • 仲介手数料*4
  • ローン取扱手数料
  • 火災保険(ご自身で選択してもいいし、不動産屋や金融機関からの提案を選択してもいい)
  • 司法書士報酬(登記に関わる手続き)
  • 銀行保証料
  • 団体信用生命保険
  • 振込手数料
  • 一級建築士報酬(フラットS適合証明書に関わる手続き。今回フラット35Sで申し込んだので)
  • 管理費・修繕積立金前払い分(引き渡し後の2ヶ月分を売り主が建て替えたのでそれの支払い。引き渡し前にかかっていた管理費は売り主負担)
  • 固定資産税

初期費用もローンで借り入れることは可能ですが、月々の返済負担が増えてしまうのであまり得策と言えないかもしれません。

無理なローンは組まない

最近では、年収の10倍まで借り入れることが可能だそうです(サラリーマンに限るかもしれませんが)。この借入可能額は、夫婦で合算した年収にも適用されます。世帯年収が500万円だとした場合、5000万円程度までは借り入れできるということです。
とある新築戸建て物件を見に行ったとき、その物件の価格は8000万円を超えていたのですが、世帯年収が600~700万円ぐらいのサラリーマン家庭がすでに何件か成約済みでした。頭金をどのぐらい入れたのかは不明ですが、仮に以下の条件で返済額を計算すると、月々16万円程度の返済額になります。冷静に考えると非常に大きな額になります。

  • 借入額:6000万円
  • 返済期間:35年
  • 金利:当初5年は0.73%、以降は1.03%(フラット35S適用)

目の前で見ている素敵な住居、これからの生活に思いを巡らせる、予算は大幅にオーバーしているが夫婦合算すれば借り入れすることはできるという甘い誘惑、住宅購入は冷静でいられなくなる場面が多いですが、上記の返済額を念頭に入れて冷静に決断してください。

住み替えも念頭に置いて物件を漁る

上記のローンの話と関連しますが、我が家も当初は5000万円台、6000万円台、果ては7000万円台といった高額な住宅も検討していました。しかし顧問の税理士の先生に言われたアドバイスで冷静になれました。少し紹介します。

事業主の方とお付き合いしていますと、住まいは人生で1件だけでない方がたくさんいらっしゃいます。
夫婦2人のとき、子供ができたとき、子供が巣立ったとき。
状況に応じて段階的に変えていけばよいという考え方もあります。

この先生は3回買い替えをしているそうです。このアドバイスを見て、いきなり高額な物件に手を出さず、状況に応じて住み替えていこうと夫婦で話し合い、中古で値段も安め、それでいて利便性がよく家族4人が十分に暮らせる広さの物件を手に入れました。
住み替えることを念頭に置いた場合は、物件価値が現状より下がりにくいことや、住み替える時期にどのぐらいで売却できて、どのぐらいの自己資金を用意できていればいいか試算しておくのが良いです。

カーローン、ショッピングローンなどは完済したほうがいい

自分はカーローンの残債160万円ほど、カメラやレンズのショッピングローンの残債が10万円ほどありました。住宅ローン審査に際して、これらの完済を条件に入れました。
完済条件にして住宅ローン審査が有利に働くかどうかは金融機関のみぞ知るとなりますが、借金はないほうがいいでしょう。

10~20年分の家計試算表を作成する

ファイナンシャルプランナーに相談するのもいいですが、1~2ヶ月分のレシートや領収書をすべて残してお金の流れを把握しておけば、ある程度は自分で試算表を作って10~20年分の家計を予測することは可能です。
自分はマネーフォワードの有料版(500円/月)を使ってすべてのお金の流れを事細かに記録していたのが役に立ちました。 moneyforward.com 宣伝ではありませんが、こういう管理方法もあるということで参考にしてみてください。

さて試算するにあたり必要な項目になりますが、おおよそ以下の項目を網羅していればいいと思います。

  • 家族の年齢(どの時点で誰にどのぐらいお金が必要かわかるようにするため)
  • 給与
  • 税金
  • 国民年金国民健康保険
  • 通信費(携帯電話の月々の支払額や、プロバイダ料金)
  • 自動車維持費
  • 水道光熱費
  • 保険料(医療保険終身保険など)
  • 食費(お友達などと遊ぶときの外食は含まない。家で食べるご飯や、仕事中のお昼ごはん代)
  • 旅行積立金
  • 趣味や娯楽費用
  • 衣料費
  • 美容・理容代
  • 交際費(外食でかかる費用やプレゼント代など)
  • 定期的に支払っているサービス料(Amazonの有料サービス、動画視聴サービス料など)
  • 保育園料(子供がいる、または今後作る予定があれば)
  • 学費(小学校から大学まで)
  • 現住居の家賃
  • 貯蓄予定額

これらを年単位で記入してみると、だいたいどのぐらいまでの借り入れをすれば家計を圧迫せずに返済していけるのかわかってきます。自分で試算表を作ってみると、現実がとてもよくわかり冷静になれると思います*5。また自分で作ると、売り主やファイナンシャルプランナーの思惑が入らないので、無理な借入額を提示されてうまく言いくるめられることがなくなります。

ぜひ、試算表はご自身で作成してください!試算表から借入可能額を算出しましょう。

ローン審査から引き渡しまでの流れ

買いたい物件が決まったあとは、以下の流れを経て購入、引き渡しとなります。

  • 購入申し込み
  • ローン審査(仮審査→本審査、または本審査)
  • 売買契約
  • 金銭消費貸借契約(金消契約)
  • 決済・引き渡し

我が家は物件案内中の車中で、その日に気に入った物件の申込みをしました。申込みはいつでもいいと思いますが、自分がよいと思った物件は他人も良いと思う確率が高いのです。一組ローン審査中と言われた物件はいくつかありました(その物件を購入するつもりではなかったのですが、不動産屋の参考情報として)。住宅購入は常に冷静でいる必要がありますが、直感を信じて申し込む英断も必要です。
申し込み後、売り主からOKが出れば次はローン審査の申込みに進みます。我が家はいきなり本審査から始まりました。ローン審査で提出を求められた書類は以下の通り。人によっては提出不要な書類もあると思います。

  • 個人として用意する書類
    • 免許証コピー
    • 健康保険証コピー
    • 源泉徴収票(前年)
    • 印鑑登録証明書
    • 住民票(世帯全員記載)
    • 課税証明書(2年分、納税した市区町村役場で取得)
    • 確定申告書(3期分)
    • 給与明細(本年分、作っていなかったので1月まで遡って作った)
    • カーローン申込書
    • カーローン返済明細書(ウェブで取得できるものでも可)
    • ショッピングローン申込書
    • ショッピングローン返済明細書(ウェブで取得できるものでも可)
  • 法人として用意する書類
    • 決算報告書(2期分)
    • 試算表(今期分)
    • 会社概要(ウェブサイトがあればそれのプリントアウトでも可。履歴事項全部証明でも大丈夫そうだった。会社が存在すること、事業内容、資本金などを確認できればいいのかもしれない)
    • 定款
    • 確定申告書(1期分)
    • 勘定科目内訳明細書(2期分、決算のときに必要な書類)

経営者だからこれだけの書類が必要になるのだと思いますが、揃えることだけで一苦労です。会社役員の方も、もしかしたらこのぐらい書類を用意する必要があるかもしれません。

ローン審査の結果はだいたい1週間程度でわかりますが、ローン審査が終わると次は売り主と売買契約を行います。売買契約では手付金を現金で渡す必要があります。我が家は200万円でした。なおこの手付金ですが、このあと出てくる決済で初期費用に充填されますので、初期費用+手付金とはならないのでご安心を。
売買契約では以下のものが必要になります。

  • 手付金
  • 実印
  • 収入印紙(今回は1万円分)
  • 免許証
  • 健康保険証

売買契約が無事に終わるとその次はローン審査をした金融機関と金銭消費貸借契約を行います。ここでもまた書類が必要になります。このあたりでだいぶ自分が疲弊していることを実感できます。

  • 売買契約書
  • 重要事項説明書(売買契約時に一緒に渡される)
  • カーローンやショッピングローンの完済証明書(ローン会社に請求すると取得できる)
  • 納税証明書(管轄の税務署で取得)
  • 適合証明書(フラット35Sに適合している物件であるという証明。不動産屋が用意してくれる)

ここまで終わるとあと一息で、最後は決済と物件の引き渡しになります。決済のときに、手付金を差し引いた物件の残債を支払い、残りの借入金+自己資金で初期費用の精算を行います。手付金だけの充填では足りないので、事前に不動産屋に初期費用総額を概算見積でもいいのでもらっておきましょう。

住宅購入は実に長い道のりです。最終的には引っ越しもあってさらに疲弊できます。

どんな家を購入したのか

東京23区内の中古マンションです。

  • 築21年
  • フルリノベーション済み
    • 間取りも変わっている。設備は全部刷新
    • 同じマンションで500万円安い部屋もあったが、そちらは間取りが建築当初のまま、そして室内が暗かったのでやめた
    • でもこの500万円安い部屋も、同時期にすぐ売れたっぽい(我が家より一足先に引越し作業をしていた)
  • 2SLDK
  • 64平米(壁芯面積)
    • 登記簿上は60平米
  • 価格は3,980万円
    • フラット35S適用
    • ローン控除対象
    • 実質3,600万円程度

駐車場付きでないのが残念でしたが、住居、近隣住人、周辺環境や施設、それらがとてもいいです。探し始めた頃は中古マンションはあまり検討の対象にしませんでしたが、税理士の先生のアドバイスもあり、今ではむしろ価格を抑えることができた中古マンションにしてよかったと思います。ちなみにマンションの価値は20年経過でだいたい底になるそうです。我が家は大きく値崩れすることもなく売却できるかもしれません。

以上で終わりです。参考になりましたでしょうか?
住宅購入はとても疲れます。いろいろと迷うことも多いです。今後、誰かにひとつだけアドバイスするとしたら「試算表を作ってまずは借入可能額を確定させなさい」でしょうか。

よい選択をしてください。

*1:頭金が物件価格の2割以上あれば違ってくるかもしれないが、法人成りしたばかりだと資本金に自己資金が取られ、頭金はあまり捻出できないと思う

*2:そして金利が高い

*3:我が家は6%程度

*4:国土交通省で定めがあります。http://www.mlit.go.jp/common/001029348.pdf

*5:義弟が入籍したので家計の試算をしてあげたら、想定よりも現実が厳しくて驚いていました。でも現状が正しくわかってよかったと思います